■万年筆の色の魅力

 

皆様もご存知の様に、万年筆に限らず筆記具には様々な色が用いられています。また、どの業界においてもその色は暖色系・寒色系などと分類され、近年その色には視覚的効果のみならず、心理的効果があることも幅広く知られています。

例えば青。青から連想する言葉は身近なものでも 空、海、水。この言葉だけでも広大な自然をイメージすることが出来ますね。世界的にも人気の高い色だということも簡単に頷けます。ちなみに青の持つ心理的効果として、集中力を高める効果や気持ちを落ち着かせる効果などがあげられます。色の持つ効果を意識的に生活に取り入れてみるのも面白いかもしれませんね。

さらに一言で青といっても、微妙な青色のニュアンスを表現するとなると相当数の青が。

ライトブルー、ダークブルー、コバルトブルー、ターコイズブルー、アジュールブルー、ネイビーブルー、マリンブルー、ロイヤルブルー、インディゴブルー、蒼、碧、藍、紺、紺碧、青磁、瑠璃..  あげればきりがありません。

一方、筆記具の定番 黒。

こちらは夜、暗闇、重量感、高級感、権威など、深く強いイメージ、クールでスマートなイメージがあります。実際に黒を着ると痩せて見える効果もありますね。色の役割としては、黒があることで有彩色を引き立て、彩りをより豊かに感じることが出来ます。黒子というのもまさにその通りです。

上記の青のように色味の幅はありませんがトーンの違い、つまり濃淡や明暗で同じ黒でもまた、それぞれ違った微妙な表現が可能なわけです。

さて、せっかく選ぶ万年筆。本体の形やデザインを吟味するのはもちろんのこと、心奪われるような一色に出会えたなら、持ち歩くのがとても楽しくなりそうですね。このコラムがその一助になれば幸いです。

 

■万年筆と書道には共通点が?

 

万年筆、ボールペン、筆、鉛筆、シャープペンシル・・・

筆記具は数多くありますが、まずこの中でインクを使うものというと万年筆とボールペンです

ボールペンといえば生活や仕事をしている中で、誰もが自然と使う機会がある筆記具ではないでしょうか? インクの交換もごく簡単ですね。

それとは違い、万年筆になるとどうでしょう? もしかしたら一生のうちに使う機会がないまま、という方の方が圧倒的に多いのではないかと思います。インクの交換も簡単なものが増えていますが、高価な万年筆になるとインクの入れ替え時にはそれなりのお手入れが必要だったりもします。

 

それでは書道に使う筆はどうでしょうか?

インクこそ使いませんが、筆に墨汁をつけて書くあたり万年筆の原始的スタイル(インク壺に羽ペンをつけて書く)に似ていますよね。さらなる共通点として万年筆にも筆にも言えることがあります。 それは筆圧によって表現されるトメ、ハネ、ハライです。

 

書道を習ったことがある方なら多分お分かりだと思いますが、トメ、ハネ、ハライが上手に書けると、文字が断然上手く見えますよね。そう、万年筆でも筆圧によって文字の太さが変わるため、ボールペンで書くのとは違って綺麗な(綺麗に見える?!)字が書けるのです。

ただし、万年筆と書道の大きな相違点として、万年筆はペン先の先端(ニブポイント)の一部分からしかインクが出ないため、ペンの中にインクがあったとしても書き方によっては擦れて、文字がうまく書けなかったりします。その点筆は360度、墨汁さえきちんと付いていれば、きちんと文字が書けます。上手いかどうかは別として・・・。

 

また、万年筆のインクは特有の色の濃淡が、書いた文字に現れるのも特徴です。この点を書道に照らし合わせてみると、市販の墨汁を使用すると殆ど分かりませんが、硯で擦った墨を使用すると、万年筆のインクと同じように濃淡がわかる場合が多いです。水墨画をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

 

ウィキペディアによると墨もインクの一種なんだとか。

このコラムを書いて、筆者自身も一つ勉強になりました。東洋のインクと西洋のインク、道具の形とその趣きはだいぶ違いますが目的は一緒。文字や絵、伝えたい気持ちを表す手段。大切な文章を後世に残す手段、等々。

 

現代社会での万年筆は、どちらかというとファッションの要素も多分に含むようですが。

確かに胸元の万年筆でササッとサインをする仕草、グッときます。万年筆を持ち歩いているだけでなんだか仕事が出来そうな人! と思われたいあなた、まずは一本。

初めの動機は不純でも、万年筆を使いこなせるようになったら本当に仕事ができるようになっているはず!(仕事の出来を保証するものではありません)